幾何的な折りアルゴリズム
上原先生による「Geometric Folding Algorithms: Linkages, Origami, Polyhedra(エリック・D・ドメイン、ジョセフ.オルーク著)」の訳本が近代科学社より出版されました。
リンケージ(1次元)、折り紙(2次元)、多面体(3次元)の折りたたみに関する研究書の日本語訳です。
大変内容が濃く、そう簡単には読破できそうにありませんが、折り紙の数理に興味のある方には、大変興味深い書籍と言えるでしょう。
私自身にとっては、多面体の展開図生成に関するところはペーパークラフトに密接に関係があり、このような書籍が世に出たということは、とても嬉しいことです。今回、この訳本を上原先生のご厚意で頂くことができましたので、原著では理解できずに断念したところを、またこの訳本によって再度挑戦したいと思います。
ただし、「はしがき」には次のようにあります。
高校レベルの幾何・基本的な離散数学・オーダー記法に対する慣れ・そして、つかみどころのない「数学的素養」がちょっぴりあれば、本書の少なくとも3/4には手が届くだろう。残りの1/4に到達するには、組み合わせ理論・微分積分の概念・線形代数・微分方程式・微分幾何・グラフ理論・いくらかのアルゴリズム理論(例えば線形計画法や動的計画法)・そして計算量の理論についての大まかな理解(特にNP完全性に関する理論)が必要となるだろう。
全体を理解するにはまだまだ勉強が必要そうです。
それにしても、上原先生の情熱と、その継続力には脱帽致します。