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三谷純のブログ

ポップアップカード

わけあって、ポップアップカードのデザインを頑張っているのですが、なかなかどうして、いろいろ苦労しています。
例えば有名な建築物など、カードデザインの対象物が具体的に決まっている場合、それをポップアップカードで表現するには、まず対象物の特徴を捉えて、わかりやすくデフォルメします。次に、ポップアップカードとして妥当な形、つまり二つ折りで畳めて、なおかつ開いたときには飛び出し、さらには1枚の紙に切り込みと折り曲げを追加するだけで作成できる形に仕上げます。
ここまでは、ポップアップカードデザイナーPROというソフトを使用することでなんとかできるのですが、それを実際に工作しようとした場合、今度は「工作のし易さ」や「折り畳みやすさ」「カードの頑丈さ」などの点で改良すべき点がたくさん出てきます。カードを1つしか作らないのであれば、あまり問題にはならないですが、大量生産したり、展開図を公開して不特定多数の方に作ってもらうような場合、これらの問題は重要になってきます。
今まではソフトウェア自体を開発して、それで満足していたのですが、評価の対象がソフトウェアではなく、カードそのものになった場合、デザイン時に気をつけるべきものが予想外に多く発生して驚きました。
以前、ポップアップカードのデザインを仕事にしているデザイナーさんと話をしたことがあるのですが、そのときに「形による紙の強度や、折り曲げのエネルギーを考慮した設計が大事」という内容の話を聞いたことがあります。当時はあまりその意味するところがわからなかったのですが、実際にカードを自分で設計してみて、その言葉の重さがよくわかりました。いくらソフトウェアが便利になっても、やっぱり最後にはデザイナの経験がモノを言うようです。