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みたにっき@はてな

三谷純のブログ

曲面立体Tesselation

前回のエントリで掲載した展開図を実際に折ってみました。

斜めから見るとこんな感じ↓

理論上は、1枚の紙からいくらでもつなげて折ることができるのですが、さすがに難しいので、個別に折った3つを並べてイメージだけでもつかめるようにしてみました↓

展開図は先日にも示したように、次のような極めて単純なものです。
これから、写真のような綺麗な形ができるのは、意外に思われるかもしれません。


これは拙著「ふしぎな球体・立体折り紙」
ふしぎな 球体・立体折り紙
に収録されている「風車4枚羽根」が4つ連結した形をしています。

そのままでは連結できないので、互いに「ねじれ」の向きが異なるものが交互に位置するようにしています。
こうすることで、一枚の紙に「風車4枚羽根」の作品を敷き詰めることが可能になります。

ところで、平面を敷き詰めることができる正多角形は「正三角形」「正四角形」「正六角形」の3種類です(参考)。
しかし、このような「ねじれ」のある形を敷き詰めるには、同じ向きのものが接しないように配置する必要があり、それが可能なのは、次の図のように、正四角形、正六角形のパターンだけです(例えば、ねじれの向きが右周りのものをプラスとしたら、左周りのものをマイナス記号で表しています)。正三角形では、このようなパターンは作れません。

したがって、今回のような「ねじり」の存在する作品を単純に敷き詰める方法は、正方形パターンの頂点に置くか、正六角形パターンの頂点に置くかのどちらかしかできません。
今回は正方形パターンだったので、正六角形パターンのものも、簡単に設計できそうです。

しかし注意しなくてはならないのは、設計はできても、それが見ために美しいか、また「実際に折れるか」ということは別問題である、ということです。
今回の例は、幸い見た目もかわいらしい作品になりました(主観的ではありますが)。

しかし折るのは非常に大変で、「ふしぎな球体・立体折紙」では、難易度が★★に設定されている「風車4枚羽根」が4つ連なっただけだったにも関わらず、非常に折るのに苦労しました(x_x; おそらく難易度は★★★★★★★★で表されるくらいでしょう。本当は3x3の9つの立体が連なるパターンを試したいところですが、とても実現できそうにありません(ご興味をもたれたかたは、是非チャレンジしてみてください)。


※ ところで、このように「ねじりの向きを反転させてグリッド状に配置する」という手法は、私にとっては今回が初めての試みでしたが、過去に布施知子氏の「ぜんまい折り」や川崎敏和氏の「ばらの結晶」などに類似したパターンが見られます。布施氏、川崎氏それぞれが独自に見つけたそうです。幾何的な制約のある条件下での配置方法なので、複数の方が同じような発見を個別にすることは、あっても不思議では無いと思います。