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三谷純のブログ

星型オブジェを折り紙で作る

クリスマスも近づいてきました。下の図のような立体的な星型のオブジェをよく見かけます。

これは平面ではなくて中央が膨らんでいて、視点を変えると下図のように見えます。

このようなオブジェの3Dデータは、適当に星型を作って、中央の頂点を持ち上げればいいので、ちょちょいのちょい。あっという間に作れてしまいます。
ところが、「1枚の紙を折るだけで作れる」という制約を追加すると、急に難しい問題になります。
ためしに膨らみ加減を適当に作ってみます。膨らみ過ぎると下図のように展開図を作った時に隙間ができてしまいます。

膨らみが少なすぎると下図のように展開図を作った時に重なりができてしまいます。この場合は複数のパーツに分けなくては実際に作ることができません。

では、ちょうど隙間の無い展開図を作るにはどうすればいい??
と思い、計算してみました。
底面の星型の外接円の半径を1、内接円の半径をr、頂点の底面からの距離をh、星型の頂点数をN(上の図の例ではN=10)とすると、r,h,Nの関係は次のような式で表すことができました。
\alpha^2r^2-2{\alpha}r+{\alpha}^2+\alpha^2h^2-h^2=0
(ただし \alpha = \cos(2\pi/N)

(冒頭の立体的な星型のオブジェは、この関係式を満たすように作りました)

例として N=24, h=0.5 にした場合は、r=0.7357 となって、次のような形が求まりました。

この形であれば、展開図は下図のようになって、切り込みを入れずに折るだけで作れることになります。