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三谷純のブログ

軸対称な立体折紙の連結

先日のエントリで展開図を公開したこちらの作品は正六角形を基本とする形を連結したものです。

配置される立体形状は接続構造を等角度間隔に持つので、正多角形(正六角形・正四角形・正三角形)を平面上に充填した格子点に配置できます。この作品の場合は、正三角形をタイリングした頂点に6角形の構造体を置いています。

しかし、これは一つの分かりやすい例に過ぎなく、すべての交点が等角度間隔となる構造であれば、異なる角数の作品を連結することが可能です。

その具体的な例の一つが下図。

交点に着目すると、全ての点において線分が等角度間隔で接続しています。
それぞれの交点には赤い正六角形、緑の正十二角形、青い正方形の構造を配置できます。

このようなタイリングについては、既にChris K. Palmer氏が様々なパターンを使った平織りを実現しています
上の図のパターンも、Chris K. Palmer氏の作品の中に見て取ることができます。
この程度の複雑な構造になると、仮に展開図を作図できたとしても、実際に1枚の紙から形を折ることは困難になります。Chris K. Palmer氏は、紙ではなく、布を素材に使用することで、このようなパターンを折ることを実現しています。柔らかい素材なので、紙よりははるかに簡単に形を作ることができるようです。光を透過させて生じる陰影が綺麗で、Shadow fold という呼び名で数々の作品が作りだされています。


さて、ここで書いたような話を、今週の日曜(12月19日)に白山で開催される第9回折り紙の科学・数学・教育 研究集会で発表する予定です。年の瀬も近い時期ですが、今回は、三浦公亮先生直々の発表もあるようです。