10個の点
ブックマーク共有系のサイト経由でたまたま見かけた数学の問題。
あなたは同じ大きさの円形のコインをたくさん持っています。
このとき、平面からどのように10個の点を選んだとしても
それら全てをカバーするようにコインが置けることを示してください。
但し、コインを立てて置いたり、コイン同士を重ねてはいけません。
(制作 稲葉 直貴氏 2008)
この、幾何学的な問題の解法に、確率論を持ちこむとエレガントに解けるということで、面白いなあと思いました。
解答・解説はこちら。
http://inabapuzzle.com/hirameki/suuri_ans4.html
その後、この問題が「数学セミナー6月号」で紹介されているという情報をたまたまTwitterで発見。
数学セミナーは残念ながら現在は定期購読していないのですが、6月号には私も寄稿させてもらっていたので、たまたま手元にあって、さっそく見てみることに。
すると、この問題の発展である
「いくつ円板があっても決して覆い尽くせない点の配置を作るためには、最低で何個の点が必要か」
という新しい問題が紹介されていました。
そして、この問題について、JAISTの上原先生(折り紙関係で親しくしていただいています)のグループが取り組んでいるとの記述を発見。おおっ!
で、ネットで検索するとJAIST 学術研究成果リボジトリに次の文献を発見。
「複数の単位円による点集合の排他的被覆(岡山陽介著)」
https://dspace.jaist.ac.jp/dspace/handle/10119/9654
幸いPDFファイルが公開されていて、中身を読むことができました。
この文献では、54個の点の配置が最小解として紹介されていて、数学セミナーの記事では53個の解が見つかっているとの記述があります。
問題自体は単純明快なので、僕にも挑戦できるのではないかと思って、下図のようなものを作ってウンウン数時間考えてみたのだけど、残念ながら上記文献の54以下の解は見つからなかったのでした。
円を平面に敷き詰めた場合の対称性を考慮すると、点の配置領域は三角形に近い形になるのだろうと思ったのですが、上記文献では長方形に近い形の解になっていて、ちょっと不思議。
それよりも、
ブックマーク共有→Twitter→月刊誌→ネット検索という経路をたどって、最終的に上原先生のグループのPDFファイルに辿りつけたことが奇跡的だなぁ、と思ったのでした。