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三谷純のブログ

イタリア折り紙コンベンション(CDO: Centro Diffusione Origami)

12月5〜8日の4日間に渡って、第33回イタリア折り紙コンベンション(CDO)がTabiano Bagniという北イタリアの地で開催されました。

今回はSpecial guestsとして、生き生きとした動物の作品を得意とするBernie Peyton氏、ヨーロッパ各国でも抜群の知名度をもつ布施知子氏、そして恐れ多くもこの私の3名が招待されました。

参加者は約270名ほどで、イタリアの外からも80名近くの参加者があったそうです。周りには何もない、良く言えば自然豊かな地で、1つのホテルの中に朝から晩まで折紙愛好家がギュッと押し込められた、濃密な空間と時間を体験させていただきました。

1つの広い会場で複数のワークショップが同時進行するため、会場は熱気に溢れ、いつでも賑やかでした。会場の周りには多数のハイレベルな作品の展示が並び、世界でも指折りの折り紙コンベンションであることを感じさせるものでした。

Special guests として、講演とワークショップの実施が求められるのは普通ですが、今回は2時間×4回分、それぞれ異なる内容で行うことが期待されたので、なかなか準備が大変でした。

とくに私の場合は、コンピュータで設計した展開図が無いと何もできないので、事前にRoberto Gretter氏にデータを送って印刷済みの厚紙を用意していただくなど、多くの協力をしていただきました。

おかげで無事にすべてのワークショップを終えることができました。中には高難易度のものもあったのですが、参加者の多くが綺麗に仕上げることに成功し、皆さんの技術力の高さに驚かされました。

このコンベンションの期間中、折り紙の世界の大先輩である布施知子さんとたくさん話をすることができたのも嬉しい事でした。

布施さんの講演の中の、「折り紙の世界の友人と10年ぶり、もしかしたら20年ぶりになるかもしれないけれど、こうやって再会して、みなが同じように歳を重ねているのを見て、歳を取るのも悪くないものだと感じました」という言葉が印象的でした。

国や言葉や世代を超えて、折り紙を通して多くの方と交流を深めることができることは素晴らしいことだと再認識しました。このような貴重な機会をいただいた、現地スタッフの皆さんに感謝申し上げます。

(日本折紙学会誌「折紙探偵団155号掲載文」)


CDOに参加する前には、POLITECHNICO DI TORINO を訪問して折り紙の話をさせていただきました。

そこで案内していただいた教会の屋根に、なぜかフィボナッチ数列が。。