みたにっき@はてな

三谷純のブログ

作品展示「鉄道レール模型の幾何学」

2016年11月26日から12月4日までの期間、つくばメディアアートフェスティバル2016が開催されました。

このイベントは、2014年に第一回が開催され、今回が第3回目となります。


第一回目には、折り紙作品を展示させていただいたのですが、今回は驚いたことに、プラレールの幾何学模様の展示を、ということで、つくば市からお声をかけていただきました。


プラレールを使って幾何学模様を作ったりする遊びは、今年になってから始めたものですが、Twitterや当ブログを通して、多くの方に関心を持っていただくことができ、その反響をご覧になってのことだったそうです。


ただプラレールを置くだけでは面白みが無いのと、前回に農工大で展示を行ったときには「列車は走らないの?」という、至極当然の質問をたくさんいただいたので、今回は天井からプロジェクタで映像を投影することにしました。


映像を投影するのであれば、なにも列車である必要もないので、車や動物を走らせたり、それこそ、綺麗な幾何学模様を投影してもよいので、自由度は格段に広がります。


私個人のアイデアはたかが知れているので、研究室の学生の、田中君や、留学生のホウカさんの協力を得て、約10種類の映像を準備しました。


また、Twitterやブログを通して呼びかけたところ、有志でcygnusさんという大学生の方から、とても綺麗な映像を制作していただくこともできました。


設営は11月22日から可能と言うことで、さっそく初日からプロジェクタを天井に吊るして投影の検証を行いました。

プロジェクタは、試行錯誤の末に、下の写真のような形で天井から吊り下げました。
金属メッシュの上にプロジェクタを置いて、下からアクリル板を挟んでネジ止めしています。その全体を金属チェーンで吊り下げています。
正面には45度の角度で配置した鏡を用いて床面に投影されるようにしました。



一度設営してしまえば、あとはリモコンで操作できて便利でした。


投影した映像を参照しながら幾何学模様状のレイアウトを行いました。

24日には、Twitter経由でご連絡いただいた、ぺたぞうさんとNakaoさんに協力していただいて、壁面への展示を行いました。

最終的には544本のレールを使った作品となりました。


投影する映像は全体で15分程度ですが、その中でも、次の映像のように一筆書きで一周できるように示したものは単純でありながら多くの人の関心を惹いたようでした。

プラレールだけでなく、タッチパネル式のPCで、レール模様の自動生成アプリを体験いただきました。

写真は我が家の3歳になったばかりの息子ですが、ボタンを押して次々に登場する新しい模様を楽しんでいました。


短い期間でしたが、多くの方に鑑賞いただいて嬉しく思います。

準備から設営、撤去まで、楽しく取り組むことができました。


「これは、いったい何なの? 何のための展示なの?」 と疑問を持たれた方のために、作品紹介文を掲載しておきます。

子どもたちに愛され続けている鉄道おもちゃは、直線レールと曲線レールを組み合わせるだけで、多様なコースを作りだすことができます。曲線レールは円周の8分の1。直線レールは円周の半径と等しい長さ。このような特性に目を向けると、この2種類のレールの組み合わせだけで、幾何学模様のようなコースを次々に生み出せることに気づきます。幾何学模様のようなコースの展示と、天井から投影される映像の組み合わせで、新しい視点からみた遊び方を提案します。


今回の展示の準備から撤収までを通して、つくば市役所の文化振興課の皆さま、つくば美術館の皆様に、多大な協力をいただきました。皆様に御礼申し上げます。