講演やワークショップの内容の紹介
研究テーマとして「折り紙」を扱っているため、学会や大学以外にも、企業やイベント関係も含め、幅広いところから講演の依頼をいただく機会があります。
これまでの様子を振り返ってみると、昨年は12件、一昨年は15件の講演をしてきたので、月に1度くらいのペースといったところです。
講演と言っても、ただ話をするだけでは面白くないので、なるべく紙を折る体験をしてもらえるようにしています。
では実際に、その中で、どのようなことを話したり、どのような体験をしていただいているか簡単に紹介してみます。
以下の内容は、折り紙をテーマにした時の話です。いただける時間によって内容が異なるので、カッコの中は講演時間の目安です。
【 講演を基本とした場合 】
- 次のようなトピックを5分ずつ程度の配分で話します(45分)
折り紙の歴史の簡単な説明、近代のアート作品の紹介、平坦折り条件、コンピュータを使った折り紙設計の紹介、折り紙設計ソフトウェアの実演、作例・応用例の紹介、まとめ - 上記の1の内容に加えて、最後に簡単な曲線での折紙体験をしていただきます(60分~90分)
- 上記の1の内容を進める過程で、そのトピックにあった体験を複数回に分けて体験していただきます(ジャバラ折り、曲線での折りなど)。また、最近の折り紙研究をいくつかピックアップし、掘り下げた話をします。(120分~180分)
講演ではなく、体験をメインとした場合には、これまでに、次のような内容のワークショップをしてきました。
【 ワークショップを基本とした場合 】
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あらかじめ折り筋の付いた型紙を配布して、曲線を折る体験をしていただきます(1つ10分程度)
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コピー用紙を配り、折り筋を手作業で付けることで、曲線を含む折り紙の制作を体験いただきます(1つ60分。6つの風車、ホイップクリームなど)
- 設計の方法を解説し、オリジナルの巻貝のかたちをつくってもらいます(60分)
- コンパスと三角定規を用いた、球体折紙の展開図の作図をし、実際に作るところまで行います(60分)(高校生、大学生対象)
- ソフトウェアの体験、カッティングプロッタを使ったオリジナル作品の制作体験をしてもらいます(3時間)
どれか1つというわけではなくて、上記のいくつかを組み合わせることもあります。
私自身は、コンパスと三角定規を用いた作図が、楽しくて学ぶところも多いと思っています。
毎回おなじ内容だと、しゃべる方も刺激がなくなってしまうので、少しずつ内容を変えたり、参加する方々にあわせて調整したりしています。一般向けに話をすることが多いので、高尚な学会にお呼ばれすると、ちょっと緊張します。それほど高度な内容ではないので、以前に、数学系の学会に呼ばれたときには、こんな内容でよいかとドキドキしました。
折り紙以外の話では、あまり声をかけていただく機会がないのですが、この夏にはプラレールの幾何について話をする機会をいただきました。今から楽しみです。