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三谷純のブログ

中国 烏鎮(Wuzhen)でのワークショップ

8月4日~12日の期間、中国の烏鎮(Wuzhen うちん)という、上海から西に2時間くらいの場所にある都市を訪問し、折り紙のワークショップおよび、折り紙コンベンションでの講演・ワークショップ・展示をしてきました。

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Wuzhenの場所

 

期間中は、烏村(WU CUN)という、人工的に作られた小さな村に滞在し、ワークショップも、展示もすべてその中で行われました。日本に似たようなものがあまりないので説明が難しいですが、畑での野菜の栽培、やぎ・豚などの動物の飼育などが体験できる施設の中に、宿泊用の建物と、各種ワークショップを行える施設、食堂、プールなど入ったものと言えます。長期間の滞在でもストレスが無いくらい、かなり広い敷地になっています。

下の写真は、この烏村の航空写真です(道路の画像がずれてますけど)。

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Google map でみた烏村の航空写真

ここで、主に夏休み期間中に滞在している子供たちを対象に、ほぼ毎日3時間くらいのワークショップ(折り紙体験)を開催しました。また、10日と11日には、折り紙愛好家たちが集う、折り紙コンベンションにて折り紙体験、講演、ワークショップを実施しました。

お声をかけてもらったときには、1週間以上にわたってワークショップを毎日するのは大変だと思って、引き受けるか悩みましたが、折り紙コンベンションには、ロバート・ラング氏もいらっしゃると聞いて引き受けることにしました。

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ワークショップの様子

ワークショップは、毎回30名程度を定員とし、私にとっては定番の球体の折り紙、タマゴのラッピングの折り紙の型紙を準備しましたが、それだけだと、一般の参加者にはあまり意味がないと思い、伝承折り紙としての折り鶴と、連鶴の体験、さらに時間調整の意味でユニット折りのくす玉(園部ユニット)を行うことにしました。

私一人で解説をしながら全員を見て回ることは無理なので、今回は研究室の博士後期1年の山本陽平君にも同行してもらいました。

写真のように、小学生とその保護者と思われる参加者が多く、なかにはうまくできなくて苦労している姿も見られましたが、それなりに楽しく和気あいあいと取り組んでくれました。

 

後半の折り紙コンベンションでは、言わずと知れたロバートラングさん(米国)、きのこの作品で有名な Vincent Flodererさん(フランス)、そして中国からの Chen Xiaoさんに私を合わせた4名が、それぞれ2回のワークショップと講演を行いました。

私のワークショップでは、ホイップクリームの作品を皆さんに作ってもらったのですが、予想以上に上手に作られる方が多くて、そのレベルの高さに驚きました。ロバートラングさんも、コンプレックス折り紙だったのに多くの方が綺麗に作り上げていたと驚いていました。

これまで、中国での折り紙愛好家のコミュニティ活動はあまり目立っておらず、今回も一時的な試みで、今後も継続するかどうかはわからないとのことでした。それでも、小さな子供たちの中にも、驚くほどの技術を持った方がいて、幅の広さを感じました。

 

ところで、滞在地から歩いて行ける距離に烏鎮西柵という観光地があり、ここでは昔ながらの烏鎮のたたずまいが残されいて、多くの観光客でにぎわっていました。

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烏鎮西柵

 

さて、この滞在を振り返って、Twitterでいくつか連投したので、その内容を以下に紹介します(すでに書いたものと重複する内容もありますが)。

 

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8月4日~12日の期間で、中国のWuzhenという場所(上海から2時間くらい)に滞在し、折り紙のワークショップを行ったり、折り紙コンベンションのクラスを開講したり講演したりしてきました。その時の様子を少しツイートしてみます。

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10,11日に開催された折り紙コンベンションでは、Chen Xiao(中国), Vincent Floderer(フランス), Robert J.Lang(アメリカ)、三谷の4名が講師としてワークショップを行いました。参加者は驚くほどハイレベルで、かなり難しいものでも綺麗に作っていました。Robert Langさんも感心するほどでした。

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他の国に比べて中国は、折紙のコミュニティがあまりしっかりした組織として存在せず、未知の世界でしたが、かなり熱心な折り紙愛好家がいることがわかりました。ネット上で様々に情報が入る時代となり、ここ数年で一気に技術力があがったとのことでした。

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私のソフトウェアを使っている人も多く、また、中国語に翻訳された本を購入してくれていた人も多くて、大いに歓迎されました。ありがたいことでした。

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私が現地に着いた時には、紙のからくりで有名な中村開己さんが1週間ほど滞在していたときで、一緒にたくさん話をすることができました。そこからバトンタッチで私が滞在。私の後は、フランスからのビンセントさんが1週間ほど滞在するとのことでした。

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ネット規制で LINE、FacebookGmailInstagramTwitterYouTube が全部使えなくて、そのほかにもアクセスできないサイトが多くて、とても不便しましたが、むしろ慣れてしまえば、とても心穏やかに過ごせました。

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買い物はほとんどしなかったのですが、現地の人をみていると、本当にみんなQRコードで決済。アリペイかWeChatペイが主な感じ。現金はまったく使っていないようでした。宿泊先のレストランに入るには顔認証が必要で、IT技術が広く普及している印象を受けました。

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私の研究室を卒業した中国人学生2名が、それぞれ遠方から挨拶に来てくれて(1泊2日で!)、現地の案内やワークショップの手伝いをしてくれて感激しました。(サンプル数は少ないですが)とても義理堅い国民性があるのかなと思いました。

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滞在中は、中国版LINEのWeChatがとても便利でした。位置情報を共有したり。
スマホの自動音声通訳で中国語→日本語の翻訳をして話しかけてくれた方がいたのですが、かなりの精度で会話ができるものだと感心しました。

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上記のツイートのリンクはこちら

https://twitter.com/jmitani/status/1160855153852866561