みたにっき@はてな

三谷純のブログ

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

大学改革が難しい理由

これまでに、大学改革と言う呼び名の各種の取り組みが、幾度となく繰り返されてきました。 大事なので、もう一度繰り返しますね。 これまでに、大学改革と言う呼び名の各種の取り組みが、幾度となく繰り返されてきました。 私は国立大学教員として10数年程度…

ヤフー時代の記憶

ヤフーの元社長である井上さんが事故で亡くなったという記事を見て動揺しています。 www.nikkei.com 私は大学院を休学してピー・アイ・エムというモバイル系ベンチャーで働いていた2000年、9月に企業ごとヤフーに買収されるということを経験し、それから2001…

スペイン出身のアーティスト、ホセマリア・シシリア氏との対話

今日は岩手の盛岡に来て、スペイン出身のアーティスト、ホセマリア・シシリア氏( José María Sicilia - Wikipedia )とたくさん話をしました。 私の折り紙に興味をもったということで、この春に筑波大学に来てくださったのですが、その後また来日して岩手で…

これまでに受けた取材依頼

今日は、本学の4年生から取材の依頼を受けて、1時間ほど話をしました。 取材で必ず尋ねられる3大質問は、「なぜ今の研究テーマを選んだのか」「今の研究がどのように役立つのか」「今後、どのようなことを実現したいのか」というもので、今回も当然このよう…

機械学習の「半教師あり学習」の簡単な説明

機械学習の応用として、画像の分類がよく例に挙げられます。 与えられた画像に対して、「これは猫の画像」「これは犬の画像」というように分類することが目的になります。 これには、前もって「犬」とか「猫」などのラベルの付いた画像を準備して、それぞれ…

人工知能が社会に影響を与えることについて

今日はAI研究の最先端で活躍する方々による、ディスカッションを聴く機会がありました。 技術的な話というよりは、AI技術が社会に与えるインパクトについて自由に話をするもので、人間の考えや行動にAIが影響を与えることが十分に可能となったときの懸念が主…

ものごとの終わらせ方について

文部科学省が、国公私立の枠組みを超えての統合を視野に入れた大学再編を検討しているという記事。 www.sankei.com いよいよ大学も統廃合を考えざるを得ない時代になったのだと、しみじみ思うところがあります。 記事にある通り、これから18歳人口が減少する…

つくば市近辺の穴場スポット:上高津貝塚ふるさと歴史の広場

つくば市の境界にほど近い場所にある、土浦市の「上高津貝塚ふるさと歴史の広場」がかなりの穴場です。 上高津貝塚ふるさと歴史の広場 | 土浦市公式ホームページ とにかく何もない広大な広場が、休日でもほとんど人がいない状態。 キャッチボールをしても、…

折り紙アーティストの紹介

2017年3月にTuttle Publishingから出版された洋書「New Expression in Origami Art」では、現代の折り紙アーティスト25名が紹介されています。 New Expressions in Origami Art: Masterworks from 25 Leading Paper Artists 作者: Meher McArthur,Robert J. …

研究タイプ別アプローチ判定フローチャート

各国の主要大学を対象とした各種ランキングが毎年発表されるようになり、国立大学でさえも、大学間競争を勝ち抜くために、大変な努力が求められる時代となりました。 本務校でも研究戦略室というものが設けられ、学内の研究力を如何にして高めるかについての…

テストの問題をつくる立場から見た学力テストの問題

つい先日に、全国の小学6年生と中学3年生を対象とした学力テストが行われました。 早いもので、我が家の長女も6年生に進学したところだったので、 「テストあったの?どうだった?」 と聞いてみたところ、 「面白い問題があったよ」 という予想外の返事があ…

講演やワークショップの内容の紹介

研究テーマとして「折り紙」を扱っているため、学会や大学以外にも、企業やイベント関係も含め、幅広いところから講演の依頼をいただく機会があります。 これまでの様子を振り返ってみると、昨年は12件、一昨年は15件の講演をしてきたので、月に1度くらいの…

論文査読の話(どれだけ引き受けるべきか)

論文査読の依頼をどれだけ引き受けるべきか、というのは、ほとんどすべての研究者が共有する悩ましい問題と思います。 論文の質の維持のためにもピア・レビューの仕組みは無くてはならないものですから、コミュニティへの貢献、ひいてはアカデミアの世界の維…

つくばエキスポセンターでの企画展と学芸員さんの仕事

今日から科学技術週間ということで、全国の科学館などで、多くのイベントが催されるようです。 stw.mext.go.jp つくばには、駅から徒歩5分の場所につくばエキスポセンターという科学館があります。 つくばエキスポセンター ここでは現在、「3次元のかたち ~…

ミームデザイン学校でのペア授業

昨年度に、ミームデザイン学校で授業を受け持たせていただいたご縁から、今日は学校主催の花見のお誘いをいただいていました。あいにく出席かなわず残念に思っています。 そのようなわけで、今回はミームデザイン学校について紹介してみたいと思います。 MeM…

折り紙を研究する「日本折紙学会」の紹介

今日は月に1回開催される、日本折紙学会の運営会議に遠隔で参加しました。 自分でも改めて驚くのですが、私は今年で3年3期、足掛け9年に渡って日本折紙学会の評議員を務めてきました。 規約上、今年が連続して評議員を務めることができる最後の年となりまし…

4月はじめの人事異動について

毎年、年度初めは人事異動の季節です。 4月から新しい部署に配属され、今も新しい仕事内容に四苦八苦している方も多いと思います。 大学の様子を見てみると、事務職員の方々の異動はとても多く、いつの間にか担当者が変わっていたりします。さすがに教員が別…

人工知能が私たちの考えに影響を与えるとき

昨日のエントリでは、内閣府がまとめた「人工知能と人間社会に関する懇談会 報告書」を紹介しました。 人工知能と人間社会に関する懇談会 報告書(内閣府)の紹介 - みたにっき@はてな 内容の紹介だけで済ませてしまったので、それこそ今の要約文の自動生成…

人工知能と人間社会に関する懇談会 報告書(内閣府)の紹介

内閣府では、人工知能(AI)技術の目覚ましい進歩を踏まえ、AIが社会に与える影響について検討を行った報告書を、今年の3月にまとめています。 www8.cao.go.jp ちょうど最近、ネット上では総務省の進めている人工知能の開発ガイドラインの策定が話題になって…

共同研究と、「折り紙は高くつく」という話

今日は遠方よりお越しいただいた企業さまと、共同研究について話をさせていただきました。 大学の台所事情が厳しい昨今、企業との共同研究による研究予算の獲得が、これまでにも増して重要となってきています。 アメリカの大学では、数億円と言う単位で企業…

読書の記録「サピエンス全史」

最近話題になっている、サピエンス全史(ユヴァル・ノア・ハラリ著)を上下巻セットで購入して、この週末に読んでいました。 サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福 作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/…

短編ドラマ「オリガミの魔女と博士の四角い時間」の紹介

先月に、NHKのEテレにて「オリガミの魔女と博士の四角い時間」という短編ドラマが、各回15分で全4話放映されました。 www4.nhk.or.jp 折り紙の設計と創作をメインに据えた内容でありながら、子供と大人が一緒になって楽しめる優れた番組でした。 土曜日の深…

太平洋側から地球を眺めると海ばかりしか見えないという話(2)

前回のエントリ 太平洋側から地球を眺めると海ばかりしか見えないという話 - みたにっき@はてな で、 「見渡す限り海しか見えない、地球表面から最も離れた場所はどこか」 という問題を考えたら面白のではないかと思ったので、考えてみました。 つまり、下…

太平洋側から地球を眺めると海ばかりしか見えないという話

読売KODOMO新聞で、太平洋側から地球を眺めると、ほとんど海しか見えない、という話が紹介されたので、Google Earth で確認してみたところ、ホントに海ばかりに見える場所がありました。 図中の★の印の裏側に日本があります。 こうしてみると、まるで海しか…

内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」というところ(2)

前回のエントリ 内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」というところ - みたにっき@はてな では、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)について簡単な紹介をしました。 私自身は、国立大学の教員がCSTI内に席を置く、フェローという立場で昨年…

内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」というところ

2016年の8月1日より、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議という部署に週に3日の割合で出勤させていただいています。年度の切り替えということもあり、ここで1つ、科学技術イノベーション会議について簡単に紹介してみます。 (以下の説明は三谷個人の…