みたにっき@はてな

三谷純のブログ

ボロノイ折り紙

先日、Webで公開している「折り紙研究ノート」で、平織りに関する解説を公開しました。
(この内容は日本折紙学会の研究会でもちょっと紹介したいと検討中。日本図学会の連載記事でも紹介される予定です。)

↑こんな感じで、正方形などの正多角形を規則的に並べることで、ねじり折り要素をタイリングすることができます。


解説の中では、Robert J. Lang氏と Alex Bateman 氏の研究によって、正多角形でないタイルであっても、「縮小と回転」で平坦に折りたたむことができるケースがあることが示されていること、そして、ボロノイタイリングが、その条件を満たすということを紹介しました。

下の図のように、適当に作られたボロノイ図でも、ボロノイ領域を縮小・回転させることで、平坦折りできる展開図になります。不思議。


これまでに、驚くほど見事な平織り作品を数多く創作してきた Eric Gjerde 氏も、ボロノイ図による平織りを試作しています。
http://www.flickr.com/photos/origomi/6784968328/in/pool-origamitessellations%7Corigomi


さて、せっかくだから、ボロノイ図幾何学的な対称性を持ったおもしろい図形を作れないだろうかと思って、試行錯誤してみました。

で、できたのが下の図。

四角形や六角形は、そもそも平面充填が楽なので、あえて5角形をベースとしてみることにして、星型になるタイリングを作ってみました。
と言っても、適当にやってボロノイ図の条件を満たしながら意図した形を作るのは難しいので、そのためのJavaアプリを作りました。

折った後、どのようになるかをコンピュータでシミュレーション。

この展開図を実際に折ってみたものが下の写真(上のシミュレーションとは左右反転している)。


簡単に折れそうに思えるかもしれないですが、、、、
とっても、とっても大変です。

この難しさは実際にやってみないとわからないです。

というわけで、PDFファイルをここに置きましたので、是非試してみてください。

光源を下に置いて、陰影を出してみると、予想以上に綺麗な写真ができました。

大きな写真はFlikerで。


追記:
冒頭で「(この内容は日本折紙学会の次号でも紹介される予定です)」と誤って表記したのが、はてぶのキャッシュに残っちゃいましたが、これは「日本図学会」の誤りでした。訂正します。