みたにっき@はてな

三谷純のブログ

切り込み有りの折り紙

久しぶりの折り紙。

1枚の長方形の紙から、トーラスを作ってみました。

球体を作るときなど、外側にひだを出すことで整合性をもたせたりしますが、
トーラスの場合は、この単純なアプローチが使えません。

そこで、上部の平らな箇所(ガウス曲率がゼロになる場所)に切り込みをいれることで、1枚の紙から作ることを実現しました。

展開図は次のような感じ。

中央部に小さな切り込みが入っていて、そこで山折と谷折が入れ替わっています。

内側は下の写真のようになっています。ひだが半分だけ内側に存在します。


事前に検証したCGモデルはこんな感じ。


切り込みが入っているので、正統な折り紙ではないかもしれないですが、
切り込みを入れることで作れる形の自由度は大きく広がります。

もちろん、あまりにたくさん切り込みをいれれば、普通の折り紙と全然違う感じになってしまいますが、
「ほんの少しの切り込みを入れることで、今までにできなかった形を作る」というのは、新しい領域かもしれません。

一枚の正方形を切らずに折る折り紙を「不切正方形一枚折り」と呼びますが、
「微切一枚折り」という分野を考えてみるのも面白いと思います。