球の表面積を求める公式が であることを説明するGIFアニメをネット上で見つけました。
その見せ方がとてもかっこよかったので、Twitterでツイートしたところ。。
球の表面積が4πr^2であることの説明。
— 三谷 純 Jun MITANI (@jmitani) 2017年5月30日
うわぁ、見せ方がカッコイイ。
と思ったけど、理解するまでに時間がかかった。https://t.co/2yNoL7MlUm pic.twitter.com/feIC5uCmP4
あまりにたくさんの反応をいただいて、驚きました(私は紹介しただけですが。。)。
ツイートしてからまだ2日目ですが、両方を合わせると3万4千を超える勢いとなっています。
なんだかんだ言って、みなさん数学大好きですね!
返信やリツイートの内容を見ていると、
「わかりやすいような気もするけど、でもやっぱりわからない」
という感想が多い気がします。
このGIFアニメは、次のようなステップで球の表面積を計算していますが、とくにステップ2の寄せ集めるところがわからない、という意見がたくさん見られました。
たしかに、寄せ集めの部分はあっという間に変形して終わってしまうので、直感的によくわからないような気がします。
乗りかかった舟ですので、「わからないけど、わかりたい」という人向けに、手短に解説を試みたいと思います。
先ほどの図に対して、緯度線に色を付けてみると次のようになります(南極と北極が左右に来るようなイメージです)。
寄せ集めた結果の縦方向の長さは、緯円(等緯度の円)の周長であることがわかります。極に近づくほど先細りになり、最も長いのはクリーム色で示した赤道部分で、その長さは です。
では、この「寄せ集めた結果の図形」の輪郭はどのような式で表されるでしょうか。
経線で球を切断し、極から円周に沿ってxの値を取ると、上の図のように緯円の半径は で表されます。
( となる理由は、少し考える必要があると思います。考えてみましょう!)
従って、緯円の周長は となりますが、GIFアニメの例では、これを半分に切って、上半分の面積を の範囲で積分しているので、GIFアニメに登場する数式の左半分が
となるのです。
右半分も同様ですね。
説明終わり。
でも、球の表面積を求める方法は他にもありますから、このアプローチが唯一と思わないほうがいいです。
もっとわかりやすいと感じる方法もあることでしょう。
こちらとかも参考にしましょう。
以下は余談です。
ステップ2の寄せ集めてできる図は、サンソン図法と呼ばれる投影法で得られる形です。
サンソン図法では面積が実際のものと同一であるという特徴があり、この図の面積が球の表面積と等しくなります。
あと、Twitterを見ていたら
『球の体積の公式 を微分すると球の表面積の公式に一致する』
という書き込みが目にとまりました。
直径の異なる球の表面を足し合わせると、中身の詰まった球になりますから(玉ネギのように、球形の薄皮が重なり合うイメージ)、表面積の積分が体積になって、体積の微分が表面積になりますね。
それにしても、CGアニメーションを用いた説明は、とくに幾何学の分野で有効ですね。
これだけ多くの反応があるのですから、同様な映像が、もっとたくさんあったらいいなと思います。
ただ、そうは言っても、ビジネスとして取り組むのは難しいような気もします。ボランティアでもいいのですが、うまく予算を確保して、体系的に整備できると、教材としても使いやすくなるだろうなぁ、とは以前から思っているところです。
以下は約2年前の関連エントリです。