どのような経緯か忘れてしまったのだけど、たまたま見ていたClaudio Rocchini氏のページ
Claudio Rocchini Math - Curves and Surfaces
に、次のこのインボリュート歯車のアニメーションが紹介されていて驚きました。
File:Involute wheel.gif - Wikimedia Commons
このアニメーションは、Wikipediaに掲載されているもので、僕のお気に入りの一つです。過去には東大の図形科学の授業で、インボリュート曲線の活用例として紹介したこともあります。
喜んで Claudio Rocchini氏のページに目を通していたら、アニメーションを作った時のコードを紛失して、もはや再現する方法がわからないという衝撃の説明文が!
このアニメーションをゼロから作るのは、ちょっと手間がかかりそう。
I generate the animation and lost the generating codes! I am no longer able to write it again. Someone can explain me how I did?
ちなみに、インボリュート歯車の歯の形は、名前の通り「インボリュート曲線」でできていて、隣の歯車との接点が連続的に移動する(連続的に力を伝達できる)という利点があります。
アニメーションで示される青い矢印は接点での法線方向で、力の伝達方向を示しています。この角度を「圧力角(pressure angle)」と言って、20度くらいが一般的のようです。
ちなみに、円柱に糸を巻き付けてから、糸をピンと張りながら解いていったときに、糸の先端が描く軌跡がインボリュート曲線となります。
図形科学の授業で紹介した内容ですが、
常螺旋の接線で作られる曲面(developable helicoid または helical convolute)を水平面で切断すると、このインボリュート曲線が現れます。
これは、下の動画で確認できます。
Cross-section of developable helicoid
授業の中では、ヘリカルコンボリュート曲面という名称で紹介しましたが、ネットで検索した限りでは、helical convolute よりは developable helicoid という表記の方が多いような感じでした。
この developable helicoid は線織面なので、直線の集まりで構成されていて、下の写真のような感じで糸を張った模型で表現することもできます。
ちなみにこれは、6年前に作ったもので、当時の記事がこちらにあります。
他にも、この曲面関係では、以下の2つの記事を書いたことがあります。
下の記事では、曲面の幾何モデルを作るためのプログラムコードを紹介しています。
次の記事では、今回と同じように、断面がインボリュート曲面になることを紹介しています。
図形は楽しい!