みたにっき@はてな

三谷純のブログ

研究

研究室の留学生が、研究テーマとして3次元形状データの類似度の算出手法を扱っていて、今週末のNICOGRAPH internationalで発表を行うのですが、その内容が僕個人としては面白いアプローチだと思っています。
簡単に言ってしまえば、形状表面にランダムサンプリングした点群から主軸方向を向く一定半径の円柱に含まれるものを除去して、残ったものの分布を調べると、類似度の算出がうまくできてしまう。というもの。
なんとなく直感的に、そんなもんなのかな、とも思うのですが、何故そのような方法を思いついたのか、どうして、そのアプローチをするとうまくいくのか、本人に聞いても良くわからない。と言うのです。これが、とっても不思議で面白い。
ゼミの発表練習で「How」ではなく「Why」をきちんと説明しなさい、と言ったら本人は説明ができないらしく、他の学生からは「理由も無く突然頭に浮かんだ方法がうまくいった場合、論文にはどうやって書けばいいんでしょう」という質問も飛び出したりして。
むむ。CGの分野では、今まであまりそういう研究にはお目にかかったことが無いので、何かしら論理的な説明ができるのだと思っていましたが、後で冷静に考えると、きっと生物系や化け学系では、「理由はわからないけど、是々をこうしたら、こうなった」という類の論文はたくさんあるでしょうから、CG系の論文にもそんな話があってもよいかもしれないなぁ、と思ったり。