みたにっき@はてな

三谷純のブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

結びトーラスの話

Twitter で「結びトーラス」の作り方を知りたい、というツイートをみかけて、まっ先に、川崎徹郎先生の下の図を思い出しました。 http://pc1.math.gakushuin.ac.jp/~kawasaki/HTMLSurfaces/htmlSurfaces30.html 以前に日本数学会のマークとしても使われてい…

「曲線が美しい立体折り紙(ブティック社 )」

これまでに制作してきた、立体折り紙の型紙を収録した 「曲線が美しい立体折り紙」 が8月3日にブティック社より出版される運びとなりました。 表紙に写っているような、立体的な折り紙26作品について、その型紙(展開図)と組み立ての工程が収録されています…

JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)訪問

博士論文審査の関係で、JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)の上原隆平教授の研究室へ伺いました。 上原先生はアルゴリズムや計算量に関する研究を専門とし、折り紙やパズルに関する論文を多数発表されていることで有名です。パズルについては、JAIST内でパ…

つくばエキスポセンター 企画展「3次元のかたち~作る技術、感じる技術~」撤収

つくばエキスポセンターにて開催されていた企画展 「3次元のかたち ~作る技術、感じる技術~」 が、本日最終日となりました。 この企画展では、筑波大学が後援となり、私は監修という立場で関わらせていただきました。企画が立ち上がったのは半年以上前の話…

書籍紹介 「折り紙学」(西川誠司著)

日本折紙学会評議員の西川誠司氏による、「折り紙学」という書籍が出版されました。 大きな文字とたくさんの写真が掲載された大型本です。 本文は優しい文体で書かれていて、小学生などの子どもたちを対象としているように見えますが、その内容は、折り紙の…

球の表面積の公式について

球の表面積を求める公式が であることを説明するGIFアニメをネット上で見つけました。 その見せ方がとてもかっこよかったので、Twitterでツイートしたところ。。 球の表面積が4πr^2であることの説明。うわぁ、見せ方がカッコイイ。と思ったけど、理解するま…

ローレンツ アトラクタ

この二重振り子の話をTwitterで見かけて、面白いなぁと思いました。 Haskellで二重振り子のシミュレーションを書いた。実はこの振り子50本あって初期値を1兆分の1ぐらいずらしてあるので途中からめちゃくちゃ分岐する pic.twitter.com/3dh4Metcpj — lotz (@l…

日仏フォーラム「人工知能は社会をどのように変えるのか?」

六本木アカデミーヒルズで開催された、日仏フォーラム「人工知能は社会をどのように変えるのか?」 http://www.institutfrancais.jp/blog/2017/05/16/ai/ に参加し、各界で活躍されている方々のパネルディスカッションを聴講してきました。 人工知能を活用し…

アニメ「正解するカド」に登場する球体折り紙(2)

今シーズンのアニメで話題になっている「正解するカド」に登場する球形の折り紙について、2つ前のエントリで紹介記事を書きました。 junmitani.hatenablog.com 球体の折り紙が実際に作れることと、その型紙をTwitterで紹介したところ、多くの方に関心をもっ…

肩の力を抜いた働き方

今朝は9amから、アメリカの研究者とSkype Meetingしましょう、という予定を組んでいてたので、その5分前にはPC上でSkypeを起動してスタンバイしていたのですが、「今、移動中なので、ちょっと無理。次はいつだったら大丈夫?」というメッセージが届いて、今…

アニメ「正解するカド」に登場する球体折り紙

東映のアニメ「正解するカド」が話題となっているようです。 seikaisuru-kado.com 私もAmazon プライムで初回から見てきていて、そのストーリー展開の面白さから、毎回の放映を楽しみにしています。 フラクタル図形がメインに位置づけられていて、幾何学好き…

最近観た映画

ここ最近、移動中の飛行機内での鑑賞を含めると、「パッセンジャー」「モアナと伝説の海」「ゴースト・イン・ザ・シェル」「ラ・ラ・ランド」と、複数の映画を観る機会がありました。 いずれも現在上映中で、話題の新作ばかりということで、映像の美しさから…

つくばエキスポセンターでの折り紙ワークショップ

本日、つくばエキスポセンターにて「ふしぎな立体折り紙を折ってみよう」というタイトルでのワークショップを開催しました。 http://www.expocenter.or.jp/?post_type=event&p=26860 午前と午後の2回の開催で、それぞれ1時間。定員は20名で事前申込制。参加…

つくば市近辺の穴場スポット:小貝川スポーツ公園

つくば市の小貝川スポーツ公園。 その一角に、滑らかに舗装されたスケートコースがあるのですが、あまり知られていないようで、いつ行っても閑散としています。 ゴールデンウィークなのに、写真のような感じ。全然人の気配がありません。 普通の公園だと敬遠…

空間曲線での折り(2)

昨日に、1つの曲線を折るだけで面白い形が作れたので、今日も1つ作ってみました。 造形的には、昨日のものほど意外さは無いですが、1枚の紙、1つの曲線だけでも、いろいろな表情を表現できそうな気がします。 (写真の撮り方次第という気もしますが。) 少し…

空間曲線での折り

今日は、本日作った折紙作品の紹介だけで済ませてしまいます。 A4サイズの長方形に、曲線を1本だけ描いて、その線を折って作った造形です。 きちんと設計したわけではないです。 紙と遊んでいると、ふと面白いなという形に出くわすことがあります。 そんなア…

学会プログラム委員の仕事

本日は、VCシンポジウム(Visual Computing / グラフィクスとCAD 合同シンポジウム 2017 )のプログラム委員会による採録論文検討会に参加してきました。 場所は東京大学の本郷キャンパスなので、筑波からだと、なかなか移動に時間がかかります。 このVCシン…

大学改革が難しい理由

これまでに、大学改革と言う呼び名の各種の取り組みが、幾度となく繰り返されてきました。 大事なので、もう一度繰り返しますね。 これまでに、大学改革と言う呼び名の各種の取り組みが、幾度となく繰り返されてきました。 私は国立大学教員として10数年程度…

ヤフー時代の記憶

ヤフーの元社長である井上さんが事故で亡くなったという記事を見て動揺しています。 www.nikkei.com 私は大学院を休学してピー・アイ・エムというモバイル系ベンチャーで働いていた2000年、9月に企業ごとヤフーに買収されるということを経験し、それから2001…

スペイン出身のアーティスト、ホセマリア・シシリア氏との対話

今日は岩手の盛岡に来て、スペイン出身のアーティスト、ホセマリア・シシリア氏( José María Sicilia - Wikipedia )とたくさん話をしました。 私の折り紙に興味をもったということで、この春に筑波大学に来てくださったのですが、その後また来日して岩手で…

これまでに受けた取材依頼

今日は、本学の4年生から取材の依頼を受けて、1時間ほど話をしました。 取材で必ず尋ねられる3大質問は、「なぜ今の研究テーマを選んだのか」「今の研究がどのように役立つのか」「今後、どのようなことを実現したいのか」というもので、今回も当然このよう…

機械学習の「半教師あり学習」の簡単な説明

機械学習の応用として、画像の分類がよく例に挙げられます。 与えられた画像に対して、「これは猫の画像」「これは犬の画像」というように分類することが目的になります。 これには、前もって「犬」とか「猫」などのラベルの付いた画像を準備して、それぞれ…

人工知能が社会に影響を与えることについて

今日はAI研究の最先端で活躍する方々による、ディスカッションを聴く機会がありました。 技術的な話というよりは、AI技術が社会に与えるインパクトについて自由に話をするもので、人間の考えや行動にAIが影響を与えることが十分に可能となったときの懸念が主…

ものごとの終わらせ方について

文部科学省が、国公私立の枠組みを超えての統合を視野に入れた大学再編を検討しているという記事。 www.sankei.com いよいよ大学も統廃合を考えざるを得ない時代になったのだと、しみじみ思うところがあります。 記事にある通り、これから18歳人口が減少する…

つくば市近辺の穴場スポット:上高津貝塚ふるさと歴史の広場

つくば市の境界にほど近い場所にある、土浦市の「上高津貝塚ふるさと歴史の広場」がかなりの穴場です。 上高津貝塚ふるさと歴史の広場 | 土浦市公式ホームページ とにかく何もない広大な広場が、休日でもほとんど人がいない状態。 キャッチボールをしても、…

折り紙アーティストの紹介

2017年3月にTuttle Publishingから出版された洋書「New Expression in Origami Art」では、現代の折り紙アーティスト25名が紹介されています。 New Expressions in Origami Art: Masterworks from 25 Leading Paper Artists 作者: Meher McArthur,Robert J. …

研究タイプ別アプローチ判定フローチャート

各国の主要大学を対象とした各種ランキングが毎年発表されるようになり、国立大学でさえも、大学間競争を勝ち抜くために、大変な努力が求められる時代となりました。 本務校でも研究戦略室というものが設けられ、学内の研究力を如何にして高めるかについての…

テストの問題をつくる立場から見た学力テストの問題

つい先日に、全国の小学6年生と中学3年生を対象とした学力テストが行われました。 早いもので、我が家の長女も6年生に進学したところだったので、 「テストあったの?どうだった?」 と聞いてみたところ、 「面白い問題があったよ」 という予想外の返事があ…

講演やワークショップの内容の紹介

研究テーマとして「折り紙」を扱っているため、学会や大学以外にも、企業やイベント関係も含め、幅広いところから講演の依頼をいただく機会があります。 これまでの様子を振り返ってみると、昨年は12件、一昨年は15件の講演をしてきたので、月に1度くらいの…

論文査読の話(どれだけ引き受けるべきか)

論文査読の依頼をどれだけ引き受けるべきか、というのは、ほとんどすべての研究者が共有する悩ましい問題と思います。 論文の質の維持のためにもピア・レビューの仕組みは無くてはならないものですから、コミュニティへの貢献、ひいてはアカデミアの世界の維…