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三谷純のブログ

学会プログラム委員の仕事

本日は、VCシンポジウム(Visual Computing / グラフィクスとCAD 合同シンポジウム 2017 )のプログラム委員会による採録論文検討会に参加してきました。

 

場所は東京大学の本郷キャンパスなので、筑波からだと、なかなか移動に時間がかかります。

 

このVCシンポジウムは、コンピュータグラフィックス関係では規模の大きい研究発表の場で、今年は6月に早稲田大学で開催されます。

 

今日は、約20名のプログラム委員が出席する中で、投稿された論文から、どの論文を当日の登壇発表に採択するかを議論しました。


あまり内部の様子は知られていないと思うので、簡単に紹介したいと思います。

 

まず、投稿された論文は1件につき3名の査読者が割り当てられます。
論文の著者も査読者も、互いに名前がわからないダブル・ブラインドで行われます。
論文の内容は各査読者によって1~5点で評価され、Webシステムに登録されます。
その後、同じWebシステムの掲示板を使って、査読者間で査読結果に対する議論を行って採否の方向を決定します。
その際、プライマリという第一査読者が議論をリードします。

 

さて、ここまでがオンラインでの話で、本日は実際にプログラム委員が集まっての議論を行ったわけです。


論文、1件ずつに、プライマリが査読結果のコメントを述べ、全体で採否の決定を行います。極端に得点が高い論文や低い論文は、あまり議論をせずに決定しますが、ボーダー付近の論文については、専門分野が近い委員を中心に議論が行われます。

 

自分の著者に含まれる論文について議論されるときには、公平性を担保するために廊下に出て待機します。

 

こうして、本日は約5時間の議論の末、無事に採録論文が決定したのでした。

 

普段あまり見えない、論文採否に関する議論の舞台裏は、こんな感じなのです。

 

プログラム委員会の皆さま、お疲れ様でした。