みたにっき@はてな

三谷純のブログ

日仏フォーラム「人工知能は社会をどのように変えるのか?」

六本木アカデミーヒルズで開催された、日仏フォーラム「人工知能は社会をどのように変えるのか?」

http://www.institutfrancais.jp/blog/2017/05/16/ai/

に参加し、各界で活躍されている方々のパネルディスカッションを聴講してきました。

 

人工知能を活用した技術が様々に普及した近い将来に備えて、今考えるべきことについて、倫理、法律、仕事、教育の観点からの議論がされました。

 

9時半から、昼休みを挟んで18時まで、という長丁場で、たくさんの話があったので、とても全体を整理しきれないので、以下に本当に少しだけですが、私の心に響いた発言を書いてみます。

 

冒頭、南條史生氏の基調講演では、「 AIが全て仕事をやってくれる時代になったとき、仕事以外での時間の使いかたが問題になる。じつは日本の江戸時代が、平和に時間を過ごすモデルになるのではないか。この時代、平和で豊かであり、いろいろな芸術に流派が発生し、その技を競い合った。仕事が無くなったら、人は芸術に没頭することができる。」という趣旨の話をされていて、さすが森美術館館長。と思いました。

 

最初のセッションで、倫理的な問題について議論がされるなか、フランスの法学部の教授による、「倫理について議論しながらも、実は皆さん、権利と法律について語っている。人類は、これまでにずっと、法律によって許されることと、許されないことを定義してきた。法学的な議論こそが必要とされている。」という趣旨の発言に、オッと思いました。今まで人工知能の分野で、法学の方の話を聴く機会がなかったので、まさに、様々な分野を横断する議論が求められていることが、明確に示されたと感じました。

 

今回、唯一のエンジニアであったPreferred Networks の丸山宏氏は最後に、「機械学習という技術は、人間の認知バイアスにつけこむサービスを作り出すことが得意な技術であることを知っておく必要がある」という点を強調されていました。

 

最後のセッションの司会をされた、野中ともよ氏は、最後に「今回のフォーラムのタイトルは『人工知能は社会をどのように変えるのか?』となっているが、 私たちは、そもそもどのような社会をつくりたいのか。そして、そのために、どのような人工知能を作るのか。そういう考え方をしなければいけない」という趣旨の発言をされいました。

 

このフォーラムの中でも言及されていましたが、一方では Amazon、Apple、Google、IBM、Microsoft、Facebookなど、そうそうたるIT企業がPatnership on AI という研究団体を立ち上げるなど、時代はどんどん進んでいます。

Home | Partnership on Artificial Intelligence to Benefit People and Society

 

 私自身が生きているうちに、どのように世の中が変わっていくのか、とても興味深いです。