2019年度の文化庁文化交流使の拝命を受け、明後日(10月27日)からの8週間でアジアを中心とした8か国を回ってきます。
内々にお声がけをいただいたのが、今からちょうど1年前で、その後、4月下旬に指名書交付式があり、宮田亮平文化庁長官より、指名書を直々に受け取りました。
2019年度の交流士(長期派遣型)は次の6名です(画像は「文化交流使 | 文化庁文化交流使」から)。
尺八奏者、歌舞伎俳優、盆栽師など、どのような分野で活躍されている方なのかすぐにわかりますが、私の肩書は「筑波大学 教授」となっていて、何をする人なのか全然わかりません(笑。
このたび、これまでの折り紙に関する取り組みを評価いただいて、折り紙の文化と最新技術について講演やワークショップ、展示などを行うことになりました。
折り紙については、私よりも造詣の深い、適した方がいると思うのですが、文化庁からの指名ということで、ありがたくお引き受けしました。
派遣先と派遣期間については、自分の意志で選ぶことができたので、「アジアを中心に」「年内に2か月間くらい」を希望しました。
あとは、各国の大使館などを経由して、この要望にマッチする国を挙げてもらい、各国での活動内容を詰めていくことになります。
たぶん、折り紙というのは、日本の文化としてわかりやすく、誰でも手軽に体験できるものとして認識されていたのでしょう。とても多くの国から声を上げていただき、選択に困るほどでした。
最終的に、8週間で中国、フィリピン、マレーシア、バングラデシュ、インド、タイ、ミャンマー、ベトナムの8か国を回ることになりました。各国1週間。毎週日曜日が移動日です。
巡回先が決まった後は、国ごとに内容を決めていきます。ここで失敗したのが、「基本的に、どのような要望にでもお応えしますよ」という、サービス心旺盛な姿勢で臨んだことです(自分で決めるのが面倒だったというのが実際のところですが)。
各国ごとの担当者が、現地の関係機関などに連絡を取り、とても熱心に計画を組んでくださいました。気づいたら、どんどんスケジュールが埋まっていきます。中学校や大学での講演、一般の方のためのワークショップ、折り紙関係イベントへの参加、作品展示、対談などなど。基本的に週に1日はオフの日を。ということだったのですが、観光案内や食事会が入ったりして(ありがたいことです!)、自由な日が減っていきます。
また、マレーシア、インド、タイ、ミャンマーでは、2都市を訪問することになり、その移動がいずれも飛行機で、移動日も増えていきます。
そして、最終的に決まったのが
56泊57日 8か国12都市訪問 16フライト
36講演・ワークショップ (たぶん)
という過密スケジュール ( x_x
なんということでしょう。
交流史としては、2か月で16回の講演等がノルマに設定されているのですが、その2倍以上になってしまいました。
旅程を地図に入れてみたら、こんな感じになりました。
すでに今年度の交流史の勤めを終えた方と話をする機会があったのですが、滞在中はかなりノンビリしたものだったらしく、私のワークショップの数を話したら驚かれました。
文化庁の担当者の方にも「三谷さんが一番訪問先の数が多い」と言われるしまつ。
これは大丈夫だろうかと、今から心配です。
でも、もう引き返せないので、こういうスケジュールで活動するとどうなるのか、一つの実験と思って、取り組みたいと思っています。
さて、その事前準備ですが、現地では和紙(千代紙)での日本の伝承折り紙を体験してもらおうと、問屋にかけあって2800枚の千代紙を調達しました。それから、曲線で折る折り紙も体験してもらおうと、2種類の折り筋付きの型紙をそれぞれ4000枚ずつ準備しました。結果、全部で1万枚を超えてしまいました。
これを、各国の会場別に分けて梱包し、国ごとに発送します。
枚数をかぞえて包む作業は、研究室の学生総出で手伝ってもらいました(ありがとうございます)。海外への発送は文化交流使をサポート下さる企業にお願いしました(ありがとうございます)。
その他、もちろん文化庁のご担当者には多大なサポートをいただきながら、どうにか準備を進めてくることができました。
このブログを通して、これからの2か月間の活動の記録を残していきたいと思っています。