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三谷純のブログ

4価頂点の剛体折りパターン

数学者であるハフマン氏が、折り紙に関心を持っていたことは有名で、曲面を持った折り紙作品が数多くハフマン氏によってつくられています。
そんなハフマン氏の、折り紙に関する論文として、次のものが有名です。

D. A. Huffman, Curvature and Creases: A Primer on Paper, IEEE Transactions on Computers, 25(10), 1010-1019, 1976.

私が1歳の時に出された論文。

この論文の中で、次のような簡単なパターンが剛体折りできる例として紹介されています。


(出展:D. A. Huffman, Curvature and Creases: A Primer on Paper, IEEE Transactions on Computers, 25(10), 1010-1019, 1976.)

さて、これを折った後の形はどのようになるでしょう?
実際に刷して折ってみればわかりますが、図の「A+C=B+D=180°」という簡単なルールを満たせば、さまざまなバリエーションを作れます。

そんなわけで、簡単なJavaアプリを作ってみました。

起動するとこんな感じで格子パターンが表示されます。

前述のパターンは、2つの角度と1つの辺の長さだけで決定されます。
このアプリケーションでは、2つの頂点をドラッグすることで、パターンを作り出します。

ファイルに保存して、ORIPAで読み直し、ORIPAのファイルフォーマットで保存しなおします。

舘知宏氏によるRigid Origami Simulatorを使わせていただいて、動きを確認できます。

実際に紙を折ると、こんな感じ。

一連の流れを動画にしてみました。


1枚の紙から、折りの角度を付けていくと筒状にになります。
川崎定理を満たすので、最終的には平坦に折りたためるパターンです。

筒状にした時に、両端が隙間なく接合できることは保証されていません。

アプリケーションはJAR形式で、こちらからダウンロードできます。

deg4-cp-gen_20120528.jar