今日は、ハノイから車で2時間の片田舎、ナムディン省にある日本語日本文化学院というところに行ってきました。
これまでに講演してきた進学校と違って、それほど恵まれた教育環境ではなかった方々に対して、日本での技能実習生として日本に渡ることを目指して日本語を教えている、というところでした。ほんとうに素朴な教室で、言ってみれば学校らしくない感じ。日本で小学校の先生を退職後に、ボランティアで協力しているという学校で、ほんとうに片田舎の小さな学校。という感じです。
そこでの学生さんは、みんな素直な感じで、熱心に話を聞いて、折り紙体験も楽しそうにしてくれました。私の指示をしっかり聞いてくれて、ワークショップも今までにないほど失敗も少なく、きっちり進めることができました。
最後に、「お礼に歌を歌います。」と言って、kiroroの「未来へ」を歌ってくれました。一生懸命日本語の歌詞を歌ってくれる姿に胸が熱くなりました。
ほら 足元を見てごらん
これがあなたの歩む道
ほら 前を見てごらん
あれがあなたの未来
こんな歌詞を聞いて、そうだね、君たちには未来があるんだよ。って思ったのでした。
実をいうと、昨晩からはずっと体調がすぐれず、行きの車の中で仮眠をとり、せっかく出していただいた昼食ほとんど手が付けられない状態だったのですが、みなさんに元気をいただけたようで、帰りにはずいぶん回復しました。
さて、ホテルに戻った後は少し休んだのですが、今日はベトナムの折り紙コミュニティの方が夕食に招待くださったので、ありがたく参加しました。
こちらの方々のレベルの高さの秘密について、いろいろ話を伺うことができました。
同席くださった Hoang Tien Quyet さんとNguyen Hung Cuongさんは、フルタイムでプロの折り紙作家として活動しているとのことでした。大学時代に折り紙にのめり込み、お互いに技を競い合った仲だそうです。
折り紙の本が高くてあまり買えなかったので、同じ作品を何度も何度も作ったことが、技術力向上に貢献したとのことでした。あとは、やはり時間がたくさんある大学時代に切磋琢磨できたのがよかったとのこと。
それと、それを仕事にできる環境があったから。とのことでした。
日本では、折り紙作家として食べていくのはとても難しいことです。
でも、こちらでは幸い広告やディスプレイの仕事の依頼も十分にあって、それでやっていけるそうです。例えば、こちらのLANCONEの動画。折り紙が前面に登場する素晴らしい広告になっています。一見の価値あり!
学生時代に折り紙の技を競い合った仲間も、社会人になると時間がとれなくなるので、やはり折り紙を仕事にできる環境が大事らしいです。
今は、後に続く人材をどう育てるかが課題だとか。
また、どこの国も同じと思いますが、折り紙コミュニティの技術を引っ張っていく人材の有無がポイントかなと感じました。
そんな彼らに、私が開発したソフト ORIPA を重宝していると言っていただけて、とても光栄に思いました。
また、日本の折り紙作家をとてもリスペクトしていることもうかがえました。
こうして交流を持ち、互いによい刺激を与えあって、尊重し合える関係を保っていければと思います。