こちらのニュースサイトでも紹介されている、塩釜高校の文化祭へお邪魔し、巨大ロボットの段ボールアートを間近で見させていただきました。
2001年から毎年継続して段ボールアートを手掛けてきたとのことで、現在の完成度に至るまでには大変な苦労があったそうです。
長年にわたって指導されてきた小川先生とは、その初期のころから展開図作成ソフトの関係でつながりがあったのですが、このたび初めてお会いして大変貴重なお話を聞かせていただくことができました。
高校教育とダンボールアートにかける情熱がひしひしと伝わってきました。
以下、お話した中で大変含蓄があるなぁと感じたものを忘れないうちに記しておきます。
・「今年もロボットを作るのですか?違うものを作らないのですか?」とよく質問を受けるが、同じものを毎年作ることにこそ意味がある。それによってその学校の文化として根付く。同じものを作っても、毎年改良を重ねて次第に良いものを作れるようになってくる。
・既にある模型をただ単純に大きくしたのではまったく面白くない。キャラクターに対する思い入れがあって、このキャラクターはこういう特性もったキャラクターなのだ、という意識の下で設計するから面白いものが作れる。
・作り込む時に、場所によっては形の省略をするが、それは細かすぎて作るのが大変だからではなくて、それが重要で無いから省略する。顔は極めて重要。
・2メートルだとあまり迫力が無い。3メートルあると一気に迫力が増す。しかし、4メートルだとそれほどでもない。結局、大きすぎると後ろにさがって見ることになるから。
・数カ月の作業で作ったものを、たった一日展示しただけで廃棄するのではもったいない。毎年保管して、それを並べられることに意味がある。
・段ボールで作る場合には、組み立て、解体、収納まで意識して設計する必要がある。
・作る対象は、熱い思いを込められるものでないとならない。
・単純に大きくすることはあるスケールを越えると大変困難になる。それは使用できる素材、強度、組み立て、保管管理、などなどに影響する。
外から見るのと、実際に作ってみるのとでは、大きなギャップがあることがわかります。