みたにっき@はてな

三谷純のブログ

シン・ゴジラの折り紙

今年の夏の話題作、映画「シン・ゴジラ」のエンドクレジットに「資料協力」の名目で名前を載せていただきました。


あくまで映画製作に必要となる資料の1つに、私がWebページで公開している折り紙の展開図が含まれた、という程度の関わりであり、制作に直接関与したわけではありませんので、誤解ありませんように。
実際に上映されたものを見るまで、どのように折り紙が登場するのか、まったくわからない状態でした。



シン・ゴジラの冒頭のシーンで折り鶴が登場するなど、ストーリーの中で「折り紙」が1つのキーワードとして関わってきます。
全体からすると、映像として登場するのはほんの一瞬で、意識して見ないとなかなかわからないですが、パンフレットを見ると、かなり大事な位置づけで企画されていたのかなと思われます。


登場した紙の折りたたみ形態は2つ。それぞれ、次の展開図から折りだされるもののようです。

(左側のものは 「異種蛇腹パターンの接続設計 (by Tomohiro TACHI)」で紹介されているパターンを簡略化したものになっています。右側のものについては蛇腹折り設計の例として過去に自作したものです。)


赤が山折、青が谷折りになります。
一方は単純な形で、他方は複雑な形で折るのが少し難しくなります。
この2つを通して、ゴジラの変態(進化)を表現しようと試みたのではないかと推測されます。


敢えて折った後の完成形は示しませんので、ぜひチャレンジしてみてください。
展開図の情報だけから形を折ることを「展開図折り」と呼びます。
一般的な折り紙の本にあるような、1ステップずつの工程を示した「折り図」とは異なり、折るのが難しいですが、必要最低限の情報で形を伝えられる便利な方法です。