みたにっき@はてな

三谷純のブログ

文化交流使(24日目:ダッカ)

ここ数日間、連続で香辛料たっぷりの料理をおなかに入れすぎたのか、今朝は体調いまひとつでしばらく横になっていました。でも昼頃には回復して、午後の勤めを無事に終えることができました。日本を発ってから3週間が経ちましたが、幸いまだ大丈夫のようです。

 

今日はガジプールというホテルから1時間ほどの場所にある Islamic University で講義・ワークショップをしてきました。途中の道のりは、昨日同様の混雑具合で、相変わらずクラクションの音が絶え間なく聞こえる中、押し合いへし合い進む感じです。

移動中、道路わきの様子を写真に撮ったつもりですが、道路状況が悪くてガッタンガッタン揺れるのと、信号が無いので意外と止まらない!という状況で、綺麗に撮ることができませんでした。

その代わり、こちらの Google Street Viewで、実際に道路を走っている様子を体験できますので、ぜひどうぞ。

 

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途中、自分が乗っている車の前をずっとパトカーが走っていました。最初は偶然かと思ったものの、しきりにこちらの車を注視しているようなので何事かときいてみたら、なんとダッカ市の外を公用車で移動するときは、いつもこうやってパトカーが誘導、警護してくれるのだそうです。

 

どうにか到着した大学のキャンパス内は一転、広くて静かでとても恵まれた環境であるように感じました。みなさん理工系の学生ということで、興味深く話を聞いてくれました。

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ところで、下の写真もGoogle Streat Viewからのものですが、こちらのバスは、本当に走れるのかと疑わしいほどにボロボロです。

なにかよい表現はないものかと思ったのですが、こちらのサイト

「まるで一度丸めて伸ばした紙のように、もはや平らな箇所は見られない」

という表現がされていて、なるほどうまい表現だと思いました。

日本などで廃車となったバスが、こちらに送られてくるのだとか。

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文化交流使(23日目:ダッカ)

今日はNorth South Universityという私立大学を訪問し、周辺の3つの私立大学の学生を集めた合同セッションでの講義、ワークショップを行いました。

バングラデシュに初めてということで、受講生の様子は前回までとだいぶ違いました。まず、日本に対する知識はあまりなく、折り紙をまったくしたことがないという学生の方が多い感じでした。

あらかじめそのようなことは聞いていたので、スライドの構成も一部変更したりして、そもそも、折り紙ってなあに、というところから始めるようにしました。

プロジェクターのトラブルで開始が遅くなったのと、折り鶴を作ってみましょう、というところでずいぶん時間がかかったりして、ちょっと手際よく進まなかったですが、どうにかバングラデシュ初回のお勤めは無事に終えることができました。

 

ホテルの周囲は塀で囲まれていて安全で静かな感じですが、その囲いから出た先は、たくさんの車とバスとリキシャと人が信号のない道路を行きかう世界で、車の中からハラハラしながら様子をうかがっていました。

 

こちらに、ダッカの市内の交通の様子を紹介したビデオがありますが、まさにこんな感じでした。

www.youtube.com

文化交流使(22日目:ダッカ)

クアラルンプールのホテルを朝6時45分の待ち合わせで出発し、バングラデシュの首都ダッカへと移動しました。

西への移動ということで、マレーシアとの時差は-2時間。日本との時差が-3時間になりました。

空港での入国審査、列は短くてすぐに済むかと思ったのですが、1人1にかける時間が、かつて体験したことがないほどゆっくりで、いったい何事かと思うほどでした。現地でお迎えに来てくれる方も、何かあったのではないかと心配するほど。

で、どうにか入国し、さっそく宿泊先へ移動。窓からの風景は、マニラのように車と人で混雑した街並み。そして、人力車の自転車バージョン「リキシャ」が道にあふれ、ボコボコの古びたバスが勢いよく走っている、そんな日本では見られない風景が続きます。

現在、バングラデシュは「危険情報レベル2:不要不急の渡航はやめてください」という状態だそうで、安全のためにホテルの外には極力出ないように言われましたので、到着後は、部屋でメール処理したり、こまごまと仕事をして過ごしました。

 

夕食は、近くの韓国料理屋さんへ、ご一緒していただきました。

 

というわけで、今日は基本的には移動日ということで、とくにすることもなく平穏に過ごしました。

 

ところで、入国時の税関申告書類で、次の図の項目10について、どちらにチェックをすればいいのか、まったくわからなくて、途方にくれました。英語として理解できない。。

 

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あとで提出するときに訊けばいいかと思っていたら、結局提出を求められることは無くて、せっかく作成した書類はなんだったんだろうかと思いつつ、後からネットで見つけた記入例が次の通り。

 

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がーん。チェックボックスだと思い込んでいたものが、記入欄だったのですね。Yes, No と思っていたのは Number の略だったのですね。まったく意表を突かれた感じです。Bad UI の事例にできそうな感じ。

 

 

 

文化交流使(21日目:クアラルンプール)

今日は Sunway University というマレーシアでトップレベルの大学に訪問しました。とても有力な私立大学ということで、綺麗な建物、ハイテクな図書館、おしゃれなレストラン、カフェなど、とても恵まれた環境だと感じました。

ここで、午前と午後の2回、いつもの講演+ワークショップを行いました。それぞれ2時間で、その前後も何かとありますから、実働は5時間くらいで、まぁ、よくしゃべったと思います。

午前の部では、現地の折り紙コミュニティの方々が参加し、難しい作品をとても綺麗に仕上げていてとても感心しました。そのメンバーの数人が、午後の部をサポートしてくれたので、とても助かりました。

さすがに、このように1日2回の講演が続くとすると厳しいですが、マレーシア滞在も今日までなので、どうにか頑張ることができました。これまでの間、常にサポートしてくれたKennethさんに感謝。

 

明日の早朝にはバングラデシュに向けての移動です。

日本を発ってから丸3週間が経ちましたが、まだどうにか元気にやっています。残り5週間。。なかなかの長旅です。

文化交流使(20日目:クアラルンプール)

今日は午前に国際交流基金のオフィスにて、SIN CHEW DAILYという中国系の新聞社からの取材を受けました。

事前にメールで質問事項をいくつかいただいていて、「んー、ちょっとピントがはずれているかなぁ」という項目があったので気にはしていたのですが、見事にその不安が的中して、これまでになくコミュニケーションが困難な取材となりました。

自分の中ではかなり衝撃的だったので、そのあとすぐにTwitterにまとめてツイートしたのですが、その内容は次の通り。

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先ほど、現地の新聞記者からの取材を受けました。

今回ほどインタビュワーとの意思の疎通に苦労したのは初めての経験で、取材中とても動揺してしまいました。
僕の英語が拙いことの影響は大きいと思いますが、私が当然のように期待していた前提知識を、まったく共有できていませんでした。

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「折り紙の技術の応用」として「ものを小さく折りたたむ技術」という認識は問題なく持ってもらえると思ったのですが、それがダメでした。

今振り返ると、「折り紙」=「動物や花や人形を作る」と思っていたのかなと思うのですが、その前提で「何の役に立つの?」と質問されると結構大変。

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え、小さく折りたたむんですか? それって折り紙のこと? で、何のために折りたたむんですか? え? 運搬コストが小さくなる? 運搬コスト?? え、なんでですか? 人工衛星打ち上げるときの話? それって紙ですか?

みたいな感じ。こっちもだんだん混乱してしまいました。

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あと、「ぼくの折り紙作品は、あまり応用は期待していなくて、数学やコンピュータを使った従来とは違ったアプローチで作り出された新しい形。
何かの役に立つものではなくて、折り紙の幾何学の研究成果。アート作品として見てもらえると嬉しい。」
ということを積極的に説明したのですが、

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そのあとに「どれが代表作ですか?」ときかれたので写真の作品(実物)を見せたら、すかさず「ふむ。で、それの用途はなんですか?」と訊かれたのにはがっかり。。

むずかしい。

きっと、今後も同じようなミスコミュニケーションはあると思うので、反省して今後に生かしたいです。

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午後はマレーシア・日本国際工科大学に移動して、約30名ほどの学生に対していつもの講演とワークショップを行いました。日本文化を学んでいる学生さんたちなので、スムーズに話を理解して、楽しく取り組んでもらえたように思います。

 

文化交流使(19日目:クアラルンプール)

本日は移動日。ペナンのホテルを10時半ごろに出て、15時過ぎに再びクアラルンプールへと戻ってきました。

今回の文化交流使としての巡回中、全部で16回(たぶん)のホテルの移動があるのですが、移動のたびに全部荷物をまとめる必要があるので、なかなか大変です。あと、忘れ物をしていないか、とても気になります。

 

ホテルに着いた後は、メール処理。今後訪れる先々との確認のメールも届きます。

 

夕方、国際交流基金クアラルンプール日本文化センター所長主催による夕食会にお呼ばれし、マレーシア料理をいただきました。

 

というわけで、今日は特に書くべきことがないので、マレーシアの人種についてひとこと。

 

マレーシアでは、主にマレー系(69%)、中国系(23%)、インド系(7%)という3つの人種から構成されています。服装も言葉も文化も、それぞれ違う人たちが1つの国の中で互いに尊重しながらうまくやっている様子は、日本と大きく異なって、とても興味深いです。

もちろん、すべてがうまくいっているわけではなくて、ブミプトラ政策というマレー系を優遇する政策がとられていたりして、多くの問題も抱えているようです。

 

文化交流使(18日目:ペナン)

今日は University of Science in Malaysia で、講義とワークショップをしました。広い教室で、学生の数は100名ほど。多くはコンピュータサイエンスの学生ということでした。コンピュータサイエンスならば僕と相性がいいのでは、と期待していたのですが、あまりそんな感じではなくて、ちょっと不発でした。

 

これまでの各学校での講演では、「はるばる日本から文化交流使とやらが来るらしいぞ。」という感じで、みな注意深く聞いてくれていた気がしますが、今日の講演は「なんか日本人が折り紙に関する内容で1コマ分の授業するらしいよ。」みたいな感じで受け止められた印象で、結構教室もざわついていたし、それほど熱心に聞いてもらえている感じでもなかったです。良くも悪くも、形式ばったところがなくて、「あ、海外の大学で授業するってこういう感じなのかな」という感想を持ちました。それでも、ワークショップは大いに盛り上がったっぽいので、やっぱり実際に手を動かして楽しめる折り紙の威力はすごいものだと思います。

 

脱線。日本でもそうなのですが、一般募集に対して自ら率先して応募した方々(意識の高い前向きの方)に対しては、とても講演がしやすいです。また、学校などに呼ばれて講演(講義)するときも、念入りに企画を立てて、事前に十分に受講生の意識を高めていてくれる場合はとてもやりやすい。一方で、自由参加ではない何かの定例会のような場に呼ばれて行う講演はとてもやりにくいですね。(大学の授業は毎回後者のようなものですが) いかにして、興味を惹いてもらうかは、日本語、英語を問わず、なかなかに難しいテクニックな気がします。

 

この講演以外の時間は、またまたマレーシア折り紙アカデミーの Kennethさんに現地を案内してもらい、マレーシアの料理などを一緒にいただきました。ペナン島は、リゾート地としても有名で、シンガポールなどの富裕層がコンドミニアムを購入して優雅に生活している一画もあり、大きな格差を感じずにはいられませんでした。ちなみに、移動中のフライトで、映画「クレイジー・リッチ」を観て、僕にはわからない別世界があるのだなあと思ったのでした。

 

最後に、こちらで見せてもらったプリペイドの駐車チケットが面白かったので紹介します。

事前にコンビニで何枚か買っておいて、使う時にコインで現在時刻を削ってダッシュボードに置いておくというシステム。確かに削ってしまえば再利用できないですね。

ちなみに「使った後に取っておくと記念になるよ。だって、そのときの年月日と時間まで記録されているからね。」とのこと。

 

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