内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」というところ(2)
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内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」というところ - みたにっき@はてな
では、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)について簡単な紹介をしました。
私自身は、国立大学の教員がCSTI内に席を置く、フェローという立場で昨年の8月より、週に3日程度の割合で出勤させていただいています。
今回は、このフェローというものについて、もう少し具体的な話を書いてみます。
フェローとしての出勤先は、地下鉄の国会議事堂前駅から徒歩1,2分の所にある内閣府合同庁舎第8号館。この6階が仕事場で、このフロアにCSTI関係職員のデスクが収まっています。
フェローとしての正式な役職名は
「内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 上席科学技術政策フェロー」
直訳すると「科学技術・イノベーションを担当する政策統括官にくっついているフェロー」ということになります。
しかしながら、統括官というのは、とても職位が高く、日常的に話をすることはあまりなく、実際には統括官の下の審議官の、もう一つ下の参事官に、日ごろお世話になることが多いです。
現在の名刺には
「内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 参事官(社会システム基盤担当)上席科学技術政策フェロー」
と書かれています。
フェローの任期は1年間または2年間。私自身は2年間の任期で、あと1年と4か月の予定。
現在、私と同じ立場のフェローが約10名、国立大学や民間企業から、週に2,3日出勤し、CSTI内の各グループに配属されています。
フェローの仕事は、配属されたグループによって異なるので、一概には言えないものの、おおまかには、内閣府の業務のお手伝い、と言って差し支えないでしょう。
必要な調査を行ったり、会議の準備をしたり、資料作成を手伝ったり、ということがメインの業務になります。
私は昨年度までは国際グループに配属されていたので、国際会合の準備・運営、有識者議員への表敬訪問者への同席、メモ取り、関連会議の傍聴などをさせていただきました。
また、大臣の海外出張のための各種作業の様子などをつぶさに見させていただいて、普段見えないところでの、膨大な仕事量と、職員の方々の献身的な働きぶりに驚かされました。
フェローには、国立大学の准教授、教授職が多いので、本来であれば本職の専門知識を政策立案などに十分に活かすことができれば言うことはないのですが、実際問題としては、大学教授の専門知識はニッチになりすぎていて、なかなかそのようにするのは難しいようです(私の「折り紙」の研究を政策立案に活用することは無理かな)。
ただ、私自身は今年度より社会システム基盤グループに配属になり、ここではAI(人工知能)が社会に与える影響について調査したりすることもあるようなので、情報系の人間としては、専門に近いことができそうな期待があります。
また、CSTIとしては、国立大学の研究力の底上げも大きな仕事の1つに位置づけられているので、大学に関わる政策については、大学の現場の様子を伝えるなど、内閣府と国立大学の間の風通しを良くすることも期待されているのだろうと思っています
今のところ、CSTIに対する貢献よりも、私自身が学ばせていただくことの方が多くて、少々申し訳ないような気もしています。
このようなブログで、少しでもCSTIの活動を知ってもらうことが、せめて私ができることの1つではないかな、と思っています。